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PREMIUM COOL

ジーンズの歴史

Written by James Sullivan

PREMIUM COOL

ジーンズの歴史

Written by James Sullivan

耐久性があり使い勝手の良いジーンズは作業着としてしかその価値がなかった。服飾の歴史上、ファッションの一つとして見直されるまでには1世紀以上もの年月がかかった。

ジーンズの歴史はそのように記されている。しかし、実際にはジーンズというアイテムに光が当てられたのはずいぶん早い段階である。Turk Greenoughは1930年代に人気を博したロデオチャンピオンだった。当時、過激な衣装とともにファンダンス(扇を用いるヌードダンス)で観客を、ときに手玉にとり、ときに唖然とさせたバーレスクパフォーマーのSally Randと華々しく結婚をした。

かつてGreenoughは、カンザスにあるH.D. Lee & Co.のオフィスや、その他多くの競合するジーンズブランドから来訪するよう招待を受けた。Lee社はGreenoughから当時の最新レーベルであるカウボーイ・ブルージーンズのLee Ridersを改良するためのヒントを得ようとしていたのだ。このようにして、Greenoughは労働者のズボンにすぎなかったジーンズを、今ではどこにでも目にする国民的商品「ジーンズ」へ変貌させる貢献の一翼を担ったのである。

会社に残されている伝記によれば、Greenoughが仕立て屋のためにモデルとなり、Sally Randはジーンズを縫い目に沿ってカットし、彼の太ももにできるだけフィットするようにタイトに縫ったそうだ。

「ジーンズは壁に貼り付ける壁紙のようでないといけない」と彼女は言った。

カウボーイと彼らのガールフレンドは、ジーンズをどう着たら“らしく”見えるか知っていた。かつてデニム地の作業着は「重労働」という必然性から生まれ、線路の上やゴールドラッシュで金を掘る現場での過酷な作業労働、工場の床や急速な工業化に伴う鉄骨梁の作業、そして古き米国開拓時代の名残りである西部地方の農場や牧草地での労働など、全てに耐えられるような“ズボン”としてデザインされる宿命にあった。

しかし、ハリウッド初期の大ヒット映画シリーズ「ウェスタン」の映画スターたちは、労働耐久性など実用的な機能が、ブルージーンズの持つ利点のほんの一部にすぎないことに気づいた最初の人たちだ。キャンバスに似た分厚い生地から作られたその衣服は、独立、尊厳、反発、永遠・・・ これらを表現することができる無限の可能性を持つ「白いキャンバス」だった。当時、外から隔離され閉ざされた男の衣服の世界に、ブルージーンズは「ファッション」としての感覚を芽生えさせる強烈なきっかけとなった。

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John Wayne (R), in a pair of Levi’s on the set of the film Stagecoach, 1939. Getty Images.

10年もの間、人々は新しいジーンズを家に持ち帰るたびに、似たような儀式を行うことになる。まず買ってきたデニムをはき、バスタブか近くの小川の中で数時間座り、生地を自分の身体の輪郭に合わせて縮ませるのだ。John Wayneは新しい映画の撮影が始まる前には、必ず家族をロサンゼルスから船で1時間程のサンタカタリナ島へ連れて行った。そこで彼らは買ったばかりのジーンズを束ね、桟橋にくくりつけて海に放り投げる。その休暇の終わりまでにはWayneの新品のジーンズはボロボロになり、撮影の準備が整ったというわけだ。

1960年までに、ジーンズはもはや労働者のためだけのものではなくなった(そして、労働者を演じる俳優のためだけのものでも)。南カリフォルニアでは、Fred Segalという名前のスポーツウェアのセールスマンがあるアイデアを思いついた。彼はジーンズが今後10年の間に時代の中心となる冒険好きの若い男女に受け入れられる、という確信をもっていた。彼は「壁に貼り付く壁紙」のように、ヒップをぴったりと覆っていた腰まわりの生地の上側をとってしまった、新しいブルージーンズのラインナップを提案したのだ。

「タイトなパンツに需要があることは分かっていました。そしてそういう人たちは自分の身体にフィットさせるために、リーバイスを履いて水に飛び込みます。」彼は数年前を思い出していた。

「彼らは僕のことを笑った。だから僕は営業するのをやめ、自分自身の店を開いた」

Melrose Avenueに構えるFred Segalの旗艦店にくる客は、彼のこだわりにすばやく反応し、それを認め受け入れた。彼のフィットジーンズ一着に7.95ドルという、当時では途方も無い金額を喜んで払ったのだ。店の隣で美容室を構えるオーナーのJay Sebringは、すぐにSegalのジーンズを自分の店の美容師たちの制服として採用した。Sebringはトレンドセッターとして最適だった。彼は最新のヘアドライヤーを使い、Warren BeattyやSteve McQueen、そしてthe DoorsのJim Morrisonのようなヘアスタイルを作り上げ、ハリウッドでは避けて通れないトレンドを発信する人物として有名だった。

ハリウッドでのヘアスタイルに革命をおこしたのと同じ流れの中で、SebringのSegalジーンズに対する熱はメンズファッションの新しい時代の流行を作った。MelroseとBeverly Hillsの学校区域では、「高校生がSegalのフィットジーンズを履くことで、彼らの注意が散漫になってしまう」というクレームをつけたが、Fred Segalのショップ店員は「彼らは、自身のクリエイティビティを表現しているだけだ」と答え、それは彼らを生理的にもヘルシーにしている、と加えた。

“ヒップハンガー”の特徴は、名前が示すとおりウエストではなく、ヒップのラインでカットするローライズの事だ
。また、よくあるパターンのひとつとして、膝下でフレアー型に広がり、古い時代の伝統に習ってくるぶしでロールアップしやすいようにデザインされている。ベルボトムと呼ばれたこれらのジーンズは業界に広く普及し、1960年代に始まった多くのブティックブランドを生み出すことに貢献し、今日も衰えることなく続いている。

1970年代のディスコ時代の「デザイナージーンズ」より数年前を振り返えると、ベビーブーム世代のリーバイス501や、そのイミテーションルックでクラシックに昔返りしたファンキーヒッピーブランドを思い出すかもしれない。例えば、Leo Brodyのミリタリー加工UFOジーンズ、フランチブランドのSisley、Viceroy、チャーリーズエンジェルで見られるMacKeen、Faded Gloryなどだ。そのトレンドは、Gloria Vanderbiltや、Calvin Kleinなど有名なアメリカンブランドが現れるまでは「フレンチジーンズ」と呼ばれることもあった。

Vanderbiltはデザイナーではなかった。ファーストレディのJackie Kennedy Onassisが生産者からの申し出を断ったあとを受けて、Vanderbiltは大衆的なブルージーンズの世界に高貴な風を吹き込んだ。ふたを開けてみればGloria Vanderbiltジーンズで彼女は大成功をおさめ、このことは作業着メーカーから始まりつらい時代の試練を経てきたブランドデザイナー達に大いに刺激を与えた。

Maurice SassonとMarithe et Francois Girbaudのようなヨーロッパのデザイナーは、今日のプレミアムジーンズの黎明期に、エキゾチックなセンスを与えた。

そうして、それらのジーンズは、デザイン性のある商品として洗練されていき、その産業は変化し続けた。
1990年代のGirbaudはミュージックシーンを新しく牽引するヒップホップスターが履くようなバギージーンズを取り入れたメーカーのひとつだ。20世紀が終わろうとしている頃あたりで、そのデザイナーカテゴリーは、ローライズカットと、腹部を露出させるデザインに光を当てて、プレミアムジーンズとして生まれ変わった。この人気はすぐに、業界の動向がヒップへの視線と華奢な若い男性へと方向転換し、スキニージーンズにその座を明け渡すことになる。

数年のときを経て、Guess、Diesel、Tru Religion、そしてRag&Boneといったブランドが業界のトップに躍り出る。どんな名前だろうが、カットだろうが、次世代の流行を捉えたデニム製作の会社は収益を独占できるかもしれない。何千ものイノベーターがクラシックアメリカンブルージーンズによってインスパイアされてきた。Fred Segalが半世紀前にそうだったように。1980年頃のデザイナーブランドのひとつが、ジーンズ業界全体を代表して公に向かってこう言ったことがある。

流行や他人の言い分には流されず、自分に似合うジーンズに出会うまで試しまくれ!

STORY WRITTEN BY JAMES SULLIVAN

“Jeans: A Cultual History of an American Icon.”を含む、4つの本の著者。